岡山 西川緑道公園 社会実験が回遊性向上に一定効果

岡山市の大森雅夫市長は11日の記者会見で、市中心部の西川緑道公園筋に歩きやすい空間をつくった本年度第1回社会実験(4月30日)について、歩行者通行量調査の速報値を発表した。初めて西川筋単独だった今回の通行量は、岡山県庁通りと同時開催した前年同期(昨年5月4日)に比べ減ったものの、イオンモール岡山(北区下石井)開業前を大きく上回り、回遊性の向上に一定の効果があったとの見方を示した。
 実験では西川筋西側の市道約270メートル(県庁通り-桶屋橋間)を歩行者天国にし、沿道の飲食店と連携してオープンカフェを開いたり、新たにハンモックやデッキチェアを並べたりした。
 調査地点は、西川筋西側市道の平和橋北側と、県庁通りの同橋西側の2カ所。西川筋は正午-午後4時に2680人が通り、前年同期に比べ136人(5%)の微減だった。県庁通りは午前11時-午後5時に2992人が通行。前年同期より44%減ったが、実験を行っていない昨年5月17日の日曜と比べると69%多かった。
 イオンモール岡山開業前の調査(2014年6月)との比較では西川筋は11・2倍、県庁通りは2・3倍の通行量。市庭園都市推進課は「西川筋での単独実験でも街中に人の流れができた」と分析している。
 市は今回初めて、歩行者天国でのイベントの企画をNPO法人に委託。大森市長は「民間ならではの新たな演出で魅力的な空間が創出された。実験の検証を踏まえ、さらなる市民主体の在り方を検討したい」と話した。
 市は来場者を対象に交通手段や滞在時間も調査しており、6月中旬をめどに結果をまとめる。社会実験は本年度計5回程度行い、第2回は9月以降の見込み。